遅くてもやらないよりまし

シングルマザーの会社員の日々の考えごと

この街の人々は雨でも傘をささないのよ

今週のお題「傘」

かつて、一度だけロシアとベラルーシに行ったことがある。

ロシアのモスクワから寝台特急に乗って、国境を越えた。

そして、本来の目的の合間にいくつかの観光地を回った。
ずっと同行してくれた通訳の女性と仲良くなり、色々なことを教わった。

団体旅行で、みんな食事が口に合わなくて日本食を手配する中、現地のライ麦パンや色々な料理に感動した私は、皆が残した分まで食べて、現地で数日滞在したホテルのおばさんに大層気に入られて、最後は涙の別れをしてきた。


滞在中、朝から雨の日があった。

ホテルのおばさんが、私に現地のことばで話しかけてくれたのだけれど、意味が分からず、近くにいた通訳のお姉さんに意味を聞いた。

そうしたら

「この街の人々は雨でも傘をささないのよ」

という意味だと、お姉さんが教えてくれた。



そのあとの会話のくだりは覚えていないけれど、はじめの一言の発音の響きと、お姉さんが訳した日本語が、まるで詩のようで、何故か鮮烈に心に残った。


ロシア語や東欧の文化を研究しよう!と思った決定的な瞬間だった気がする。


雨が嫌いになった今も、しとしと雨の日に外を見るとその時の雰囲気を時々思い出す。