遅くてもやらないよりまし

シングルマザーの会社員の日々の考えごと

微睡みラベンダー


今は1年の中で一番夜明けが早い時期だそうだ。

朝起きて、仄明るい外の光と、カーテンを閉めていて薄暗い部屋の狭間で、ぼんやり考え事をする時間が好きだ。


朝焼けの色。
画像に収めようとしたけれど、うまく行かなかった。
スマホには残せない、記憶の色。



小学校の頃、遊んでいた遊具から振り落とされて大怪我をして1か月近く入院したことがあった。

その時はまだ父が離婚せず家にいて、病室に突然セーラームーンの単行本を全巻持ってきた。大慌てで。


ぶっちゃけ、小2に原作のセーラームーンはまだ相当に難しかったが、珍しく父親が選んでくれたものだったから、分からないなりに読んだ。


その中で、タキシード仮面の描写に、ラベンダー色、朝焼けの色、と出てきたような記憶がある。
…完全にうろ覚えだが。

薄紫色のタキシードで光をまとって現れる描写を想像した当時8歳の私は、まだ「こい」といえばカープの方しか知らなかったくせに、わけも分からず心がポッとなった。
かっこいいなぁ、と。


あれから25年以上の時が経った。
ラベンダー色の空を眺めて、ぼんやり何かを思いながらウトウトする時間に幸せを感じている36歳の私。
今は今で、何か心がポッと温かい。