祖父が天国へ旅立ってしまった。
何度も何度も持ち直したけれど、最期は眠るようだったらしい。
…結局死に目にはあうことができなかった。
「お前には子どもたちがいるだろう?万が一、うつったらどうするんだ」
「退院したら会えるんだから!」
との伝言を受けて、敢えて行かなかった。
だから、まだ実感が無い。
夜中だから、子どもたちは眠っている。1人だ。
電話口で子どもみたいに泣いている母親を慰めて、「どんなに夜中でもいい、いつでも電話をしておいでよ」と言い、電話を切った。
けれど、胸が痛いのは、やっぱり悲しいからだ。
いつかくると分かっていても、悲しいものは悲しい。