遅くてもやらないよりまし

シングルマザーの会社員の日々の考えごと

職業に貴賎なし…と思いたい

仕事の話。


自分が一番下っ端ではなくなって、パートさんや後輩に指示を出したりお願いしたりする機会が前より増えた。

…けれど、基本的には滅多なことでは叱るとか厳しく注意とかはしない。間違いやまずいことははっきり指摘するけど。

そういう場にあまり出くわさないというのが一番大きな理由だけれど、複数人で仕事している以上みんな違いはあるわけで、全体に影響のない些細なことは気にしない方が平和だと思うから、というのもある。
やっぱり和やかに仕事したい。平和が一番。


そんな中での先日の出来事。

私より年上のパートの女性が1人、たまたま仕事が全くなくなったらしく、椅子にぼんやり座っていた。

こういうことが時々ある。
何か手伝うことがあるかと聞いてきてくれたら渡すものもある。けれど、ぼんやり座ってこちらをただ見ているだけの人にまで過保護にかまうつもりはない。
…ということで、私は自分の仕事を進めていた。

その時、ちょっとまとまった量のコピーが必要で、私はコピーを取っていた。
私はその資料を使って人前で説明をする予定があった。

その人はずっと、明らかにこっちを見ている。

気にせず仕事を続けていたら、席に座ったままのその人が急に声をかけてきた。席に座ったままで。

「あのう、コピーは私みたいなパートの仕事ですよ?社員さんなのにコピー取っちゃうんですか?私がヒマなの見えてますよね…?どうして任せてくれないのですか?」と。


それに対して…

「コピーはパート社員さんの専属の仕事ではありません。」

「コピーは簡単だから誰にでもお願いできる、というものではないと思っています。そもそも、パートだから雑用とか社員だから雑用しない、とかいう区別はする気はありません。契約上、出来る出来ないはあるので、お任せできないものも当然ありますが。

自分が使う大事な資料なので、私は自分で確認したいから自分でやっています。

それに、座ったままで声をかけられるのを待っているのではなくて、もう少し周りを見て、立ち上がって、ご自分から声をかけてみていただけませんか?座って目で追って察してほしいという気持ちには、こちらはお応えできません」


…という趣旨のことを(一言一句同じではないけれどこんな内容を)言ってしまった。


そのあとは少々ご機嫌を損ねたようで、私に対しては何もなく、私もそれ以上何も言うことはなかったので、あくまでもこちらからは最低限普通に接していたけれど。

別な人に似たようなことをして、同じように言われても、その人は定時までの数時間座り続けていた。





もしかしたら言いすぎかもしれないけれど、自分で自分を「どうせパートだし」みたいに卑下してほしくなかったから言ってしまった。

そうやって卑下するのが己だけならまだ良いが、大抵の場合、これが徐々に歪んで他人を攻撃する。
そうやって人が辞めていくのは嫌だ。


あと、自分は席に座ったまんまで、こちらに歩み寄ってほしいみたいなのもちょっと違うと思った。

見下されてるのか、逆なのか、よく分からないけど、とにかく何だか一度ははっきり言いたい気がしていた。


あと、コピーなめんなよ!とも思った。
いかに少ない紙で(エコ)、見やすい資料を作るか、ホチキス止めをどうするか…などなど、極めれば奥深いと思うのだ。
雑用だからってやっつけでやられたら困る。


その人は日常的に、配達の人やコンビニなどの人にもタメ口をきく人なので、心の中での自身を起点にした仕事や立場、役職などへのランク付けがきっちりしているのだろうと思う。

お店とかで、店員さんにタメ口をききたくない私は、それがとても違和感があったけれど…個人の信条は私の知ったことではないのでずっと黙っていた。


しかし、…あくまでも私は…職業や仕事に貴賎なしと思いたいので、今回はつい、言ってしまった。

コピーだって雑用だって、それらを丁寧に確実にやる人がいるから仕事も社会も回るわけで、決して「下な仕事」ではないと思うけれど。
(無駄と思えることもしばしばあるが)


言わないというある意味大人な選択肢もあるのだろうけど、そのまんまストレートに言ってしまう私はまだ未熟なのかもしれない。