遅くてもやらないよりまし

シングルマザーの会社員の日々の考えごと

スロウレイン

今週のお題「お気に入りのTシャツ」

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お気に入りのTシャツ。

11年前、ケセンロックフェスで買ったもの。

岩手の沿岸に近い住田町というところの、種山高原キャンプ場に行き、そこでACIDMANの曲を生で初めて聴いた。

その日はそれはそれはひどい雨降りで(当時は雨恐怖症ではなかった)、当時お付き合いしていた年下の彼と一緒に、車に初心者マークをつけておそるおそる峠道を走った。

フェスの途中から雨がひどくなりすぎてカッパもまるで意味をなさず、完全に体が冷えてしまい車に退避して少し休んだほどだった。

だけど、ACIDMANだけはどうしても見たいと彼が言い、2人で会場へ再び向かった(うろ覚えな記憶だが)。


雨は少し小降りになった。
そうして演奏されたのがスロウレインという曲だった。



着ている服がびしょ濡れになり着替えも尽きて、フェスの思い出も兼ねて着替えがわりに買ったのがこのTシャツだった。


そのスロウレインという曲をとても気に入って、何回も何回も聴いた。
社会人になってからも、一緒に行った彼とお別れしたあとも、何回も何回も聴いた。


だけど、雨が怖くなり、些細な雨でも外出が怖かった一時は、その曲すら聴けないほど追い詰められた。5分おきに天気予報を見るほど、「雨」というものに追い詰められていたから。


それでもTシャツだけはずっと大切に着ていて、大切にしていたからか、10年経った今もまだ首のあたりはあまりヨレヨレしていない。


最近ふとTシャツをどこで手に入れたかを思い返して、改めて聴いたら、ああやっぱり良い曲だなと思った。
赤燈とか、他にも昔たくさん聴いていた曲を一気に思い出した。

雨も何も怖くなかった20代前半の自分を思い出したら、少し元気をもらえたような気もした。


この夏はACIDMANの曲をお供に、子どもたちを連れて海沿いにドライブにでも行こうかなぁ、と思う。

人混みには行けないけれど、好きな音楽を聴いて、Tシャツに描かれた夕日みたいな、きれいな景色を見てくるだけでも思い出になるかもしれない。


Tシャツ1つで色んなことを思い出し、考えた。