今週のお題「忘れたいこと」
あれは社会人になって1年目のころ。
人前で初めてプレゼンすることになり、練習をこっそり続けてシミュレーションを脳内で繰り返して、本番当日。
その時の上司が、まず俺に聞かせてみろ、と言うので、練習台になってもらった。
ひとしきり聞いた上司から、「頑張って準備したからそのままで大丈夫。ただし、あなたはちょっとドジだから、焦って変な言い間違いするなよ~!」と言われた。
そして本番。
「1冊ずつお手元にお配りしているチューブファイルを開いてください。○ページに、このWebサイトのトップページの画像が掲載されています…」
と言う説明があったのだが…
緊張して色々段取りがすっ飛んだ私は
「お手元にあるチューブトップをご覧ください」
と言ってしまった。
上司の懸念通り、ドジだった私は言い間違いをしてしまった。
チューブトップって、女性が着る、肩紐がないキャミソールのような服のこと。
チューブトップなんて本来なら絶対登場しないようなお堅いプレゼンなのに…(-_-;)
あ、やばい!とさらに焦り、言い直そうとして、念を押すかのように「チューブトップ」と言って畳みかけてしまった。
聞いていた人が明らかに笑いをかなりこらえている…(-_-;)こちらが大真面目だから笑うに笑えなかったのだろう。
それに気付いて、自分でも分かるくらい赤面して焦った。
一番後ろで聞いていた上司は音が鳴らないように手を叩いて声を殺して大笑いしていた。
そんなこんなで、心の動揺が永遠に続くかと思ったが、何とかその先は落ち着いて、言い間違いをど直球で謝った。
スルーせず言い間違いをがっちり拾った結果、会場でこらえていた笑いは声を出した笑い声になった。
謝って昇華させたことで自分の中で一応一段落し、その場は終わらせた。
何をしゃべったかその後の記憶は曖昧だったが、段取りどおりで終わっていたのは奇跡だったとしか思えない。
相手方もこんな私のプレゼンを最後まで見守ってくれて、そのプレゼンが成功して先の仕事にもつながった。
新人のポンコツな私を寛容に見守ってくれた色んな人のおかげで今があるので、感謝しかない。
その時のプレゼンを聞いた人の中には、出世して偉くなったのに未だに仕事の付き合いがある人もいて、何がどこで作用するかは分からないものだなとは思う。思うが…
あの時の緊張感も恥ずかしさも永遠に続くかと思える微妙な空気も、もう絶対思い出したくないし、忘れられるなら忘れたい苦い仕事の思い出ではある。
でも、チューブトップを見る度に思い出してしまう。