遅くてもやらないよりまし

シングルマザーの会社員の日々の考えごと

きっと今ごろ

今ごろ、祖母は焼かれてもう骨になっている。


…結局、火葬も葬儀も参列を許されなかった。


一応、身内の死や葬儀は「不要不急の外出」の枠外の話だとは思うし、同じ県内のそれほど遠くないところへの移動なのだけれど、祖母の娘たち、つまり私の母親とそのきょうだいは、異常なまでに頑なだった。


どうか察してくれ、来ないでくれ、という感じがヒシヒシと伝わったし、子どもたちが菌を持っている、という言われ方にも大分モヤモヤと悲しく思った。


3回目の接種を終えたという祖母の実の妹でさえ、他県だからと来るのを断固拒んだという。


コロナは確かに怖いけれど、感染予防するから、もし必要なら直前にPCR検査受けられないか調べて受けるからと懇願した実の妹を、そこまで徹底的に拒むのは…正解だったのか。

私だったら、多分受け入れる。
感染対策を徹底的にして、先方にも協力してもらったうえで。



そもそも、都会に近いからあなたたちには菌がある、って何だ。

市町村の間に何かバリアがあるわけでもないのに。


そう思う半面、やはり、超高齢化が進む田舎の町で、コロナが出たとなれば、村八分とか悪い噂が出るとか、きっと色々あるのだろう。


そう思うと、何とか押し切っても行こう、というよりは、気持ちは分かるから仕方ないよ、という方へ気持ちが傾いたのも事実だった。

言い方がキツかったのだけが、悲しかっただけだ。


祖母は演歌が好きだった。
踊りが好きだった。
民謡も好きだった。
私は少しだけ、地域の伝統芸能を習っていたから、それを毎回見に来ては、嬉しそうに嬉しそうに笑っていた。


それを思い出して、遠くから偲ぶ。