遅くてもやらないよりまし

シングルマザーの会社員の日々の考えごと

夏休み、折り返し


東北の夏休みは短い。

8月20日過ぎには終わりが来る、子どもたちの夏休み。

宿題の進捗をそろそろ確認してみないと、後半に苦しむのは子どもたちではなく、親の私だということを、この4年間で実感している。

お調子者で、喧嘩ばかりの息子二人。
次男は甘えん坊で、長男はカッコつけたがり。

私の母から言わせれば、彼らはそれぞれに私に似ているらしいのだが…小学生の頃の自分は、どんな子だったっけ?


割とはっきり記憶しているのは、2年に1度くらいの頻度で恐ろしく体調を崩していたこと。

暑い日、吐き気がしてご飯が食べられなくて、ずっとレモン味の飴玉や飲み物を手放せずにいた年もあったし、食べるより泳いでいたくて、プールに狂ったように通っていた年もあった。
祭りのパレードに出て熱中症でひっくり返った年も。

どの年にも共通しているのは、自分の限界を理解していなくて、無茶していたっけな、と、振り返る。
そうして改めて現実を見ると、無茶、無謀なところ、息子たちにも受け継がれているような気がしてきた。


もう一つ、忘れられない夏の夜の思い出がある。

父親がまだ不倫相手のもとへ通わず、夜に家にいた頃の夜。
山の中にあった家。晴れて静かで川の音が聞こえていた。


その日は眠れず、父の膝に座って、父が見ていたテレビを見ていた。

アンディ・フグが日本人の誰かとボクシング?のようなことをしていた。
あのひとかっこいい、と父に言ったら、喜んだ。父さんも好きだよ、と。

踵落としがかっこよかったから、アンディ・フグが出ていると、目を追った。
乱暴な動きは怖かったけれど、何気なく笑った顔がかっこいいと思っていた。


父と、試合が終わるまでずっとテレビを見た。

膝の上で、後ろから抱っこするような形でテレビを見られる時間はあまり多くなかったが、幸せな時間ではあった。数少ない、父とのあったかい思い出。

アンディ・フグの試合と、父が良く飲んでいたスプライトがセットで記憶の引き出しに入っていたのを、ぬるい夜の空気の隙間に思い出したのだった。