久しぶりにはっきりと記憶に残る夢を見た。
しかも良い夢。だから書き残しておく。
まだ独身で若い自分が、前に住んでいたアパートの部屋に向かっていた。
下の階の人が引っ越し準備をしていた。これから出て行くところなのだ。
隣の部屋には、「彼」が引っ越してくるところだった。
その「彼」は、今までの人生で関わったことがない見知らぬ誰かだった。でも、夢の中の私はその人のことを「キョウくん」と、親しげに呼んでいた。
「ベッド組み立てたいけど、荷物に紛れてなくしたから下の人にドライバー借りてきた。初めて声かけたけど仲良くなったよー」
…と、彼は飄々と言っていた。
その、誰とでもすぐに仲良くなれる彼の雰囲気に、強烈に安心感を抱いた。
そして、彼がベッドを組み立てるのを、時々談笑しながら飽きもせず眺めた。
あっという間に出来上がったベッドに感動していたら、ふいに彼から「今日からお隣さんだ、よろしくね」「隣にいられるの、ものすごく嬉しい」と言われ、頭を撫でられた。
ただそれだけだったのに、目が覚めたらすごく嬉しくてあったかかった。
ただし、現実世界のその温かさは、珍しく冷え込んだせいで私にみっしりくっついていた次男の放熱によるものだったけれど。
あれは誰だったのだろう…?