雪の朝。
菅田将暉の「虹」という曲に子どもたちがハマっている。
最新のドラえもんの映画の主題歌だ。
ハマりまくって、YouTubeでMVも見ていた。
MVでは出産して子育てに奮闘する若い夫婦が描かれていた。
子どもたちは真剣に見ていた。
そして「かーさんもこんな感じだったの?」
…と質問してきた。
毎度のことだけれど
「家族団らん」「一家で力を合わせて」「困難を夫婦で乗り越えた先の家族愛」系のストーリーが、実はとても苦手だ。
苦手、というのはちょっと違うかも。
見ると、心の中で、
ズキッ
と何かが条件反射で痛い、というのがしっくり来るかもしれない。
どうしても、どうしても自分の経験と重ねてしまうから、しんどい気持ちだけが蘇ってきてしまう。
とにかく下の子が三歳くらいまでは辛くて辛くて、可愛かったことも生まれてきてくれて嬉しかったことも全部ネガティブな気持ちに打ち消されて、とにかく体も心もギリギリでいたから、それに重なる時期を幸せそうに生きる人たちを見ると、羨ましい気持ちと、自己嫌悪の気持ちが出て来てしまう。
誰かを妬んだりうらやんだりしたところで、自分に何か良いことが来るわけではないし、今は乗り越えてきたのだから、それで良いんだよ!と頭の中では分かっているのだけれど。
何か…ちっちゃいなー…と、自分の狭量さに心の中でへこむ。
そうは言っても、子どもたちには何かの答えを返さねば。
「あなたたちのこと、生まれたときも確かに嬉しかったけれど、その時より今お話ししたり、一緒に何かを考えたり、相談したりできる今の方が、もっと嬉しいし、頼りになるあなたたちがとても好きだよ」
と返してみた。
果たして少しは気持ちが伝わったのかどうか。
とにかく大切だよ、という気持ちは、生まれた当時も今も何にも変わらないのだけれど。