遅くてもやらないよりまし

シングルマザーの会社員の日々の考えごと

心の中の鬼のこと

昨日の日記のような感じで、子どもたちのことであれこれてんやわんやしていると、まあいいや、と割り切れるときと、後から後から怒りがこみ上げて、負のループに入るときがある。


それを心の中で勝手に「表と裏」と呼んで、今日は裏モードだなぁ、とか寝る前に反省することがある。

裏モードな私はそれはそれは鬼のような形相で、一番最悪に暴走すると、よせば良いのに子どもに怒鳴り散らしてさらに泣かせてしまったりもする。

心の中の鬼がむき出しになる感じだ。


最近は滅多に無くなった。


一番ひどかったのは、下の子を出産して間もない頃でまだ夫が居た頃。
今日はその心の中の「鬼」の話。


次男の時は産後3か月で仕事に復帰した。
早く戻らないと席を無くすと言われたのを、マタハラだとキレれば良かったのに、真に受けて焦ったからだった。

夫は突然真夜中に同僚を連れてきて、寝ている私にお酒を出せと言ったり、やりたい放題していた。
お前がたくさん稼いでいるから、俺は頑張らなくていいな、好きなことをするよ、と言った。
事実、私はその頃昇進して、元夫の年収をサクッと追い越していたのだが、それを自分のものだとジャイアンのように思った元夫は、以前に増してヘラヘラしていた。


それらを、自分が選んだ人生だから甘んじて受けねばととにかく自分を縛り付けて、我慢しなきゃしなきゃと過ごすうちに、唐突にその日はやって来た。


暴走。
怒りのコントロールがきかなくなったのだ。

可愛いはずの子どもたちが可愛くなくなり、自分に戸惑った。

衣食住の世話は当然するし、体調にも気を配るのだが、徐々に何故か体が動かなくなった。


例えば、カレーを作ろうと思い立ったとする。

日曜に材料を買ってくる。
月曜に冷蔵庫から材料を出す。疲れ果ててその日は終わり。
火曜に野菜の皮をむき、切る。そこで疲れ果てて、肉は一旦冷蔵庫へ戻して中断。
水曜に肉を切り、炒める。野菜も入れて、水も入れて火にかけるけれど、子どもたちの別な世話があり、そこで中断。その日はふりかけご飯と味噌汁だけになる。
木曜にルーを入れて、やっと完成する。


…カレーは一例だが、普段なら1日とか数時間で終わるあらゆる家事が思うとおりにこなせなくなり、それでさらに自分を責めていた。

子どもの健診で心療内科へ行くことを薦められていたが、元夫が世間体が悪いと良い、ひどく咎めた。
気合いだ頑張れ、母親だろうと責めた。
それでもこっそりかかりつけ医では相談に乗ってもらっていた。


そんなある日、熱を出した息子と家にいたら、突如として、観測史上初というゲリラ豪雨が起きた。
高熱でうなる息子と逃げられないほどの雨と、冠水しかけている外の様子、サイレンの音、落ちる雷に、何で何で何で、もう無理だ、と泣き叫んでしまったのだけは覚えている。

それ以来、雨が怖くてたまらなくなってしまった。今もそれは変わらなくて、執拗に天気予報を見たり、外出できなくなったりというのは残る。通院も年に数回に頻度は減ったが続けている。



そうこうしていたら、会社のストレスチェックで医師面接へと誘導され最終的に「産後うつ」と言われた。

そこからしばらくは、体は動かないし、とにかく怒りたくなる衝動と戦い続ける、最悪の日々だった。


その後は薬や周りの力に助けられ徐々に改善した。
夫と別居して調停を起こし、離婚したら、さらに劇的に改善した。
1人で子どもを育てる負担を周りは懸念したが、別居した途端に、端から見ても明らかに子どもとの生活がかなり上手く回るようになったので、産後うつが親権へ影響することは無かった。



長くなってしまった。


離婚して何年も経ち、子どもも大きくなってきて、当時私を支配していた「心の鬼」はすっかり小さくなったけれど、消滅はしていない。

たまにふつふつと再燃して復活しかけるので、ストレスをためすぎないように、そうなる前に助けを求めるように、気をつけている。

ニコニコして平和な自分の方が、楽しいし、みんなが幸せだろうから。


離婚したのがちょうど節分に近い時期だったのでお題に乗っかって、節目に心の整理をしてみた。

今週のお題「鬼」