遅くてもやらないよりまし

シングルマザーの会社員の日々の考えごと

ウルトラソーダ、からの思い出話


まだ肌寒いけれど春が来ようとしている今の不安定な空気感と、何気なく聴いたこの曲のふわふわした感じがシンクロした。


相対性理論の歌は好きだ。

ゆるゆるとしながらも不思議な雰囲気。

特に、比較的穏やかなテンポの、ギターの旋律が印象深い曲が好き。



そんな相対性理論の曲といえば、忘れられない景色がある。



20代はじめのとあるクリスマスイブのこと…

当時付き合っていた人に二股されていた上に、その人にはさらに離婚調停中の奥さんがいることが分かった。
挙句、誰にも頼めないからごめん!と、離婚届の保証人まで頼まれて、今よりもお人好しすぎた私は引き受けてしまった。
その後、離婚が成立してまもなくその人が、二股のもう一人の相手と授かり婚した。
「まーのおかげで、運命の人に気づけた、やっと一緒になれた!」と言われ…

そんな、あんまりにあんまりすぎて涙すら出ない、というものすごくしんどい失恋をしたことがあった。




あまりにも立て続けにショックを受けた結果、私が取った行動は…


海へ行く


だった。

今思えば短絡的な気もするが、当時の若い自分はそういう衝動だったようだ。


ひたすら鈍行を乗り継ぐ途中にずーっと聴いていたのが、上で紹介した相対性理論の「アワーミュージック」や「ミスパラレルワールド」などの曲だった。


そして結局鈍行だけをひたすら乗り継ぎ、隣県宮城の松島に行き、水族館とガラス館を飽きるまでひたすら眺めて、ちょっと高い宿に泊まり二日酔いになるくらいお酒を飲んで(といってもビール2杯だが)、翌朝瑞巌寺へ行って、好物のお寿司を堪能してまた自宅へ帰った。




完全なる現実逃避をした結果、それ以降少しずつ、少しずつ、元気が出てきたのだった。


渦中にいるときは辛かったのだが…あの旅は心に残る素敵な旅だった。

今でも、あのときの曇り空、ぼんやりした頭で見た景色、道を聞いたら親切に色々教えてくれたお姉さんの背中、魚のゆらゆらした群れや、ガラス館の伊達政宗をモチーフにしたかっこいい深緑のオブジェなど…どれも鮮明に思い出すと同時に、相対性理論の曲が脳内再生されてしまう。

身近な友人にも話してこなかったほどにヒリヒリと心が痛くて悲しくて辛かった話を、こうして日記に出来るということは、過去として昇華できたということなんだと思う。

特別お題「今だから話せること