時々通る道に、冬のイルミネーションを建物の周りにつけたままのお宅がある。
冬は点灯させる。
何年か前は季節ごとに付けたり外したりしていたが、面倒になったのか、ここ数年付けたまま夏を越している。
断線しないものかと、見ていて思っていたのだが…
先日、強い雨と雷がひどかった週末を経て通りかかったら…装飾が一部取れてひっくり返っていた。
メリークリスマスのプレートと星の形が無惨に傾き、ブラブラと揺れている。
しかし家主は気づいていないのか、ここ数日、そのままだ。
冬になり、電飾が点かないだけならいいのだが、スパークしたりしませんようにと、他所様のお宅を案じた。
それにしても、季節外れのものって、何でかすかに切ない気持ちになるのだろうか。
最近見た他のものだと…
梅雨入り間際までこいのぼりを出している家
何故か煤けた「ボジョレー解禁」の貼り紙が残っている個人商店
何故かお盆に庭先に門松を出していた近所のお宅
…など…
…普段さほど気にとめていないように思えても、一応季節感や時期の流れに乗って生きているものなんだなぁと、イレギュラーな物事への違和感に触れると実感させられる。
清少納言が昔思っていたように、令和の私も季節を思う。
ここしばらくは、昼は季節が真夏のままで、暑く湿気ていて、蝉時雨もまだまだ現役。
しかし夜中は虫が鳴き風が吹く。
祭りの笛太鼓の練習が鳴る。
気持ちだけでも少し季節を進めないと、暑さに負けてしまいそう。