この季節にぴったりの曲だ。
快晴の朝。
痛む足。紫色の内出血と腫れはまだまだ残る。
しかし、息子がロードレース大会に出るというので、朝起きて連れて行った。
気持ちいい空、心地良い風。
この前までの肌にしっとりしたガツンと来る暑さが嘘みたいに、サラサラと肌をすべる風に、ずっと吹かれていたいような気がした。
息子は、初めての1.5キロの長距離走が苦しかったようだが、どうにかやり遂げていた。
終わったあとの豚汁が最高に美味しかったらしい。
息子、もっと広く言えば若者たちが、別に強制されているわけでもない物事に果敢に挑んで、自分なりに何かを学んでいくということは、素敵なことだと、思う。
それらを度々通り抜けて夏が過ぎて秋が来て冬になり春が来てを繰り返し、成長していくのを眺める親の立場もまた、楽しいものだ。
その何倍も日頃面倒がつきまとうのは本音だけれど。
産後うつや次男の発達障害など、様々壁に当たり通り抜けたりやり過ごしたりして、この境地を少しだけ感じられるようになった今があること、ありがたいと思う。
そうして立つ私もまた、子どもから大人になるまでの今までに色んな学びを通り抜けて、それを誰かが見守ってくれていたから、私が私であるのだ。
逃げようと思えば逃げられることも、ぶつかって来たからこその今。
そして私は明日、また1つ歳を取る。
36歳最後の日、息子を家に送り届けたあと、美容院で髪を染めながら、そんなことを考える。